

1枚の立体構造パネルに保水・排水・通気機能を一体化したのがFDドレイン。
表面の凹部で保水し、オーバーフローした余分な水は、パネルとパネルの隙間から下層部に流れ落ちていきます。パネルの裏側では、躯体勾配に沿って流れる水がルーフドレインを抜けていき、排水層として機能。さらに、立体構造により生まれる空隙部が通気層としての役割を果たします。
1枚のパネルが3つの役割を持つことで、大幅に軽量化されているうえ、それぞれの層としての機能も向上しています。
実際の排水は、分岐・合流をともなう管路系に類似した形態をとります。しかし、この場合、解析が複雑となりますので、ここでは開水路流として解析しました。ある一定空間の単位時間排水量はマニングの公式より求められます。FDドレイン、エコムユニットについて求めた排水量を下表に示します。
| FDドレインLN、LH | エコム・GCユニットN | ||
|---|---|---|---|
| 排水量(m²/h) | 水勾配:1/100 | 3.3 | 9.4 |
| 水勾配:1/50 | 4.7 | 13.3 | |
| 水勾配:1/10 | 10.4 | 29.7 | |
| 排水対応流れ長さ(m):緑化域の降雨水のみとして計算 | |||
| 時間当たりの降雨量:100mm | 33 | 94 | |
| 時間当たりの降雨量:50mm | 66 | 188 | |
水勾配1/100の場合、FDドレイン、ユニットはそれぞれ3.3(m³/h)、9.4(m³/h)の排水性能を有しています。時間100mmの降雨量の場合、FDドレインは流れ長さ33mまでは水が滞留することなく、暗渠部分で排水されることを示しています。
緑化区域の排水性能は見切り材や緑化外周部の排水空間で大きく左右されますので、注意が必要です。
流れ長さが長い場合は、別途排水路を設けることが必要です。また、緑化域以外からの降雨水が緑化域に流れ込まないような排水計画も必要です。

近年、ゲリラ豪雨による被害が増えていいます。屋上緑化システムには保水効果がありますので、短時間でのゲリラ豪雨の際の屋上からの雨水の流出を遅延させることができます。これにより、降雨水が一気に下水・河川等に流出することが抑制され、都市型水害の軽減に寄与します。
主な緑化システムの最大保水量は、FD-LN工法の場合、土厚200mmで約70ℓ/m²、土壌300mmで約100ℓ/m²となります。70ℓ/m²の保水量は、時間あたり70mmの雨が1時間降った際の降水量に相当します。土厚が薄いFD-EU(ユニット工法)やFD-EM(マルチング工法)では、最大保水量は15〜20ℓ/m²となり、その保水量は時間あたり50mmの雨が約20〜25分間降った際の降水量に相当します。